目標を達成したいならとにかく目標を細かくするべき

  • 人事目標設定

新年や新年度に立てた目標は達成できそうでしょうか? 今日は標達成のポイントについて書きます。

初頭努力・終末努力

心理学の用語の中に「初頭努力終末努力」というものがあります。これは、計画に取組み始めたときからしばらく、と、締切の直前にやる気と生産性が高まるというものです。

一番身近な例は夏休みの宿題ですね。 夏休みに入った頃は、去年の8月31日のことを思い出して「今年こそは早めに宿題を終わらせるぞ」と思うわけです。しかし、お盆に入る頃には既にやる気が無くなってしまっていて、8月25日ぐらいに焦り始める・・・といういつものパターンです。

これをモデルにすると以下のようなイメージになります。

f:id:ryo_yamamoto:20181121164618p:plain

この中だるみを無くすためにはどうするか。 簡単なことです。 目標を細かく分けて、締切をたくさん作ってしまえばいいんですね。

夏休みが5週間あるなら、第一週終了時点で20%進捗している、第二週終了時点で40%・・・と設定しておく。 こうしておけば、第一週終了していて15%しか終わっていないなら、少しネジを巻かなければならないと考えるというようなことです。

このように締切を複数回設定すると以下のようなイメージになります。

f:id:ryo_yamamoto:20181121164631p:plain

まあ、個人的には締切直前に慌てて作業することをやる気と呼ぶべきかについては疑問がありますが、行動に繋がればヨシです。本心など誰にも測定出来ないわけですから。

小さなタスクならやる気が無くても取り組める

目標を細かく分けることで、モチベーションが高くないときでも取り組みやすくなる、というメリットがあります。

「企画書を作成する」というのは結構負荷の高い業務だったりしますが、「目次を書く」ぐらいならまあなんとか取り組めそうですよね。このように、「多少疲れていても、これぐらいなら出来るかなあ」というレベルにしておくことがポイントです。

人間のやる気スイッチを動かす為には

脳の中に、人間のやる気を司る”やる気スイッチ”とも言うべき部位があります。即座核といいます。この、即座核=やる気スイッチを動かすためには「作業をする」ことが必要になります。やる気を出すにはやるしかない、という、とんでもない設計になっているんですよね。

しかし、大きいことに取り組むのはシンドイ。 だから、「やる気が無くてもやれるぐらい小さなタスクに分けておく」ことで、少しだけでもやることを促進していくわけです。

細かく分解することのその他のメリット

細かく分解していくことにはモチベーションが向上すること以外にも大きなメリットがあります。それは、計画を分解すると、「計画のヌケ・モレ・ムリ」がわかるということです。目標を細かなステップに分けていくと、何をしなければならないと考えているかが判ります。

例えば、「初めて受注を取る」という目標を立てている人が「顧客訪問」「製品説明」「納品」「検収」という流れで考えていたら、「顧客のリストはどうするの?」とか、「製品説明から納品までの間に見積は不要なの?」とか、そういうことが判るわけですね。
しかし、計画の細分化をせずに、ただ闇雲に取り組んでいたとしたら、実際に実行していくときにお客さんのリストがなくて慌てたり、見積を取らずに突然納品しちゃったり、、というミスが発生するわけです。

また、「受注量を倍にする」という目標を立てているときに、「現状でも精一杯なのに、訪問件数を倍に出来るの?」「倍生産しないと納品できないよね」ということにも気付くことが出来ます。

計画を細かくすると言うことは、計画を行動レベルに落し込んで考えることとセットになるので、「あれ?」ということに気付ける訳です。

具体例とやり方

具体的には以下のようなイメージになります。これぐらい細かくするんだな、というイメージにしてもらえばいいです。

「今後、販売促進のために展示会を継続して実施していく。そのため、9月末迄にテスト運用をする」という目標に対するアクションプラン作成例

1.達成目標から逆算して計算

展示会のテスト運用がゴールだが、あくまでテスト運用であることから、ゴールは『テスト運用を踏まえた改善案の作成まで』であると定義します。
そのため、アクションのゴールは9月末時点で振り返り・修正が完了していることですので、このように考えます。

 →最終の振り返りに2週間かかると見込むならば、テスト運用は9月上旬までに終わらせなければならない。

 →集客のためには開催1ヶ月前迄に公募を行なう必要がある。→8月に公募開始が出来る状態にする。

 →8月に公募開始ということは、7月末までに内容を確定させておく必要がある。また、社内決裁が必要の為、6月末までに仮案を完成させ、社内で実施の上修正、7月末までに内容を確定しておく。

 →6月末までに仮案を確定させると言うことは、5月末までに方向性の確定・情報収集の完了、6月中にアウトプットイメージの確定が必要。 

要は「計画はお尻から考える」ということです。

2.以下の様にスケジュールに落とし込む。

4月15日 展示会概要の決定。収集すべき情報のリストアップ。
5月02日 営業部内でのプレ実施スケジュール調整依頼(1課課長より他課課長に声掛けを実施)
5月30日 展示会資料完成→課長確認後都度修正し、肉付け。
6月15日 営業部員対象に、社内でのテスト実施#1(@205会議室) 3時間程度(出席者:○課長、×リーダー…)出た意見を元に情報を修正
7月15日 営業部員対象に、社内でのテスト実施#2(@308会議室) 3時間程度(出席者:○課長、×リーダー…)出た意見を元に情報を修正。
7月末迄 内容確定。社内決裁後、PR資料(DM・web)作成。
8月上旬 募集開始(DM及び当社web上での掲載によって実施)
8月下旬 応募者数が少ない場合は喚起を行なう(再度ダイレクトメールを送付予定)
9月中旬 テスト運用実施
 実施日程及び場所(案)9月07日(木) 08:00~12:00東京  ・9月08日(金) 13:00~17:00大阪  ・9月13日(水) 13:00~17:00福岡
9月下旬 展示会テスト実施ふりかえりミーティングの実施 
~9月末 展示会PR内容修正の完了

ここまでやるか!って感じですよね。やっておくと良いと思います。

今日のまとめ

・目標の締切直前にやる気が出る。 だから細かく分けるとやる気に繋がる。
・小さく、簡単に実行できそうな目標なら、やる気が無くても取り組める。
・目標を細かく分ける作業で「計画のヌケ・モレ・ムリ」も事前に潰せる!