生産現場は働き方改革のヒントの宝庫

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我々ホワイトカラーの世界で「働き方改革」とか言われ出したのはここ数年の話です。それまでは言われたことを言われた通りやってきたし、仕事を“やらない”なんてもってのほか、「真面目にコツコツガンバるんやー」なんて言っていたずらに業務を拡大してきてしまいました。よく言われるのは「まあ、効果は小さいかもしれないけど、やらないよりやっておいた方がいいじゃん」とか。

一方で、「よくわからないけど、やらないよりやった方が良い」とかいう概念とは違う世界で改善を進めてきた人たちもいます。

ブルーカラーは働き方改革の百貨店

高度経済成長の立役者、ブルーカラーの人たちは、必要なものを早く。とにかく現場の効率を上げるために改善に改善を重ねてきたわけです。改善のための方法とかでも、ざっと挙げるだけでこれだけあります。

・QC7つ道具(パレート図・特性要因図・グラフ・チェックシート・ヒストグラム・散布図・層別)
・新QC7つ道具(親和図法・連関図法・系統図法・マトリックス図法・アローダイアグラム・PDPC法・マトリックスデータ解析法)
・SLP
・P-Q分析
・ものの流れ分析
・ラインバランシング
・グループテクノロジー
・トヨタ生産方式(JIT・自働化・カンバン方式)
・VA・VE
・ABC分析
・・・

全てを覚える必要はありません。要は作業の無駄を無くすために

「削減できる作業はないか」
「設備や工具をどこに置くか」
「机の高さはどれぐらいが良いのか」

といったようなことを分析するための方法です。

ホワイトカラーがパワポのフォントを細かく直したり、どうでも良いものにまで稟議書を書いたり、大したことの無い出来事に大騒ぎしている間に、現場の方々は質を落とさず生産量を増やすためにこれだけの方法を編み出してきたのです。

本当に頭の下がるばかりです。

殆どのホワイトカラー労働者はブルーカラーの血のにじむような改善の方法を知りません。しかし、今、読者の皆さんは「詳細はよくわからないが、どうやらブルーカラー労働者は凄い改善方法を知っているっぽいぞ」と言うことを知りました。そうなると、我々がするべきことはもう明確です。

「ブルーカラーの業務改善方法をパクりにパクる。」
ということですよね。

業務をパレート図に分ける

数ある「ブルーカラー世界の業務改善方法」ですが、今日まず覚えて欲しいのは「パレート図法(P-Q分析)」というものです。詳しい説明は省きますが、データを項目別に分解して、大きさの順に並べるという分析手法です。

これをすると、「自分が行なっている仕事全体のうち、大きな割合を占めているのは何か?」ということがわかります。 業務を減らすにせよ、効率化するにせよ、ただ闇雲にやるのではなく一番大きい割合を占めているものから行なうのが一番効果が大きいからですね。

(同じ10%減らすのでも、50時間掛かっている業務を10%削減できれば5時間削減できますが、1時間しか掛かっていないものなら、たったの6分に過ぎません。どちらから手をつけるべきかはすぐ判りますよね)

経費削減を行なうときでも、キャンペーンを行なうべき顧客を抽出するときでも同じようにパレート図を使えば分析することが出来ます。

生産現場では、生産量によって生産ラインを変える必要があります。たくさん売れる物はベルトコンベアなどを使って流れ作業で作り、少ししか売れない物は作業員が一人で作ってしまうなど、生産方法を変更する必要があるためです。

棚卸した業務を、時間毎に並べ替える

前回、「業務を棚卸しよう」「年間で掛ける時間を把握しよう」と書きました。そして、時間毎に並べ替えて、「自分が一番時間を使っている業務」を洗い出すわけです。そうすることによって「何から手をつけるか」が判ります。

次回は、業務の所用時間が判ったら、何をするべきか について説明します。