。新人研修の設計をする際「過去や他社はどんなことをやっているのかな」ということを確認するケースが多いようですが、それだけだとなんかシックリ来ないなぁ、という感じになってしまうことが多いです。
では、何の確認からするべきかというと、①事業環境や経営方針の変化 ②新入社員のマインド・考え方の変化の二つです。何故なら、これらを理解しなければ経営に役立つゴールは得られづらく、新入社員への効果が限定的になってしまうからです。
①事業環境や経営方針の変化
事業環境や経営方針の変化は、まさに「企業ごとに異なる」ことが多々ある為、この記事で全てを網羅することは難しいですが、多くの企業で共通していることの一つ目は、人生100年時代の到来により定年年齢が確実に上昇するであろうということ(現在の新入社員である20歳前後の方々は恐らく70歳以上まで働くことになるでしょう)。
一方で、顧客のニーズは多様化・高度化していることから、一昔前のように「とにかく愚直に頑張れば売れる」というケースは少なくなっていくと思われます。そのため、ここから言えるのは
・現在の新人がいくつになっても求められ続けるようなマインドを身に付けること。
・多様化したニーズを把握し業務に反映するため、効率的な情報収集と深い検討が出来ること。
・高度な専門性を身に付けるため、生涯にわたって学習し続けること。
が必要だと言えそうです。
②新入社員のマインドや考え方の変化
新入社員のマインドや考え方の変化については、研修担当者の皆さんなら肌感覚がおありのことと思いますが、メンタル不調になりやすいということが第一に挙げられます。背景には、彼らが厳しい指導を受けずに育ってきたから(彼らの言葉で言えば、昭和が異常だっただけ、なのかも知れませんが)といったことが挙げられます。
また、離職の決断が早いということも挙げられます。こちらは、転職エージェントの積極的な広報活動などによって転職が当たりまえになったということに加え、彼らが大幅な経済成長を経験してこず・逆にリストラやブラック企業報道に多く触れながら育ってきたと言うことが挙げられそうです。そのため、ここから言えるのは
・ストレスへの認識を改め、コントロールすること
・会社の成長と自分の成長をリンクして考えられること
が必要だと言えそうです。
+α
最後に、忘れられないのがコロナ禍への対応です。緊急事態宣言は継続の見込みとのことですが、さらにその後どうなるかは不透明な状況です。そのため、2021年度の新人研修では、リモート開催を視野に設計しておく必要があるでしょう。
昨年は多くの企業で臨時の感染防止策を打った上で新人研修が実施されました。非常に大きな部屋で離れて着席して実施したり、常に窓を全開にして実施したり・・・と、急拵えながら、各社様々な取組をされてきました。
しかし、2020年入社の新人の成長にはばらつきが見られてしまっているようです。昨年の同時期は、マスクや消毒液の品薄や情報不足などもあり、「あり合わせ」での実施もやむなしではありましたが、1年経過した2021年入社の新人に対しては、ある程度しっかりした対策を行っていく必要があります。