人手不足に「出戻り社員」という選択肢

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人手不足ですよね

今まで一般的だった「学校卒業→就職→定年退職」という一本道から、

・最初に入った会社から転職する人

・大学院に行って学び直す人

・産育休を取る人

・介護休業をする人

等々、様々なキャリアが共存するようになりました。

僕も、最初に入った会社からかれこれ2回ぐらい転職をしていますし、今の会社でも一生働くということは多分ないと思います。大学院にも行くと思うし。

で、企業は様々な理由で人が出て行きますが、採用は難しいです。特に今の30歳前後の人を雇うのは難しい。

つまり、「出て行きやすいのに取りにくい」という経営環境に置かれているわけです。

新卒・中途採用は成功し辛い

新卒なんかは大卒でも3年で3割辞めますし、残りの7割だっていい人かどうかは判らないことが殆どです。それもそのはず、だって彼らは働いたことが無いわけなので、大学で活躍出来ていた子でも会社で活躍出来るかは判らないわけだし。それに教育コストもバカになりません。

■新卒採用のデメリット

・戦力化まで時間が掛かる

・採用までに時間が掛かる

・教育コストがかかる

・ミスマッチ率が高い

中途採用は勤務経験こそあるものの、「自社の風土に馴染めるか?」という問題はあります。あと、割と中途採用で入った人はすぐ辞めることがあります。一回辞めているから、面接に対する心理的なハードルがそれほど高くないわけですね。

■中途採用のデメリット

・自社の社風・業務に馴染めないことがある

・再転職の心理的ハードルが低い

・採用コストが高い

・他業種からの転職の場合即戦力にならないこともある

面接官の問題もある

それに、そもそも面接で相手の嘘を見抜ける確率は54%なんて言われています。コインを投げて裏表を的中させるのとほぼ変わりません。

だから、結局新卒も中途も、程度の差はそれぞれあれど自社にマッチするかどうかは判らないわけです。

出戻り社員を採用するメリットは?

出戻り社員には、中途採用の魅力と元・自社社員であるという魅力の2つが同時に備わっています。

中途採用である魅力

1.組織活性化が出来ること

他社や学校、家庭での経験から、多様なバックボーンや知識を持っていることが期待できます。自社内にずっといただけでは得られない知識を持っているため、自社の仕事のやり方に新しい刺激をもたらしてくれることが期待できます。

2.通年採用が可能

新卒採用と異なり、いつでも採用することが出来ます。4月まで入社を待つ必要が無いわけです。これはかなりフットワークが軽くなることが期待できます。

元・自社の社員であるメリット

1.超・即戦力であること

前回職を離れたタイミングにもよりますが、自社の業務を把握しているため、他の中途採用の社員と比べても圧倒的に戦力化が早くなります。

2.コミットメントが高い

一度自社を離れてなお、再度戻りたいと言うことは、自社に愛着を感じていることが期待できます。(他の会社と比べるとマシだという程度だとしても)

私も数社経験してみて、たまに前の会社に戻りたいなーと思うときはあります。1社目は財閥系の建設業で、割とトップダウン・年功序列的に物事の決まりやすい会社でした。次の会社はオーナー系の製造業でしたが、創業家の鶴の一声というのはあんまりなく、若手でも発言でき、合議で決まる一方、意思決定者の見えにくい組織でした。

最初は、「発言がたくさん出来る、ヒャッホウ!」とか思っていましたが、意思決定者がいないものだから誰に話をつけても…ということがあったり、後から「俺は納得していない」って言われたりとで、トップダウンも使いようによっては良いところがあったよなーなんて思ってみたり。

その後人事コンサルなんて仕事してますが、色んな会社さんとお付き合いしても、「まあ、結局会社は良し悪しあって、完全な上位互換なんてのはなかなか無いよね」ってのが今のところの結論です。

こっちは赤いから良いけど、あっちの会社は青くていいな、みたいなそんなもんでしょうか。赤と青、どっちが偉いかはないけど、どっちが好きかはある、みたいな感じ。

3.採用失敗が起きづらい

元自社社員なわけですから、相手が能力が高いかどうかということについては既に把握出来ていますよね。だから採用の失敗は起きづらいです。変な奴だったら取らなければいいわけです。

出戻り社員を復帰させるのにはどうしたら?

ざっと、ここまで「人手不足だし退職者も増えるから、出戻り社員を採用してもいいんじゃない」っていうことを説明してきました。

一方で、出戻りさせるために一番のネックになるのは

・ずっと居る人たちの感情面

(辞めた奴がまた入ってくるの?)

・辞めた人たちの感情面

(辞めた手前戻りづらい)

というところです。

そのためにポイントになるのは「人が出入りするのは当たり前だし悪いことじゃない」って雰囲気を作る制度を備えておくことになります。

退職するときにお祝いしてあげたり、復職を制度化したり、「人は辞めるもんだ」ということを前提にした業務の割り振りをしておく というようなものです。