皆さんの会社では、目標管理制度は入っていますか?入っている会社では、どのように結果を測定しているでしょうか?
今日は目標管理制度の評価軸について考えてみます。
目標管理を数値化するプロセス
目標管理の達成度を評価するとき、各社様々な計算方法を用いています。
達成度だけで見るとか、目標毎にウエイトをつけて達成度を掛けて計算するケースがよく見られます。例えば以下のようなイメージです。
目標Aは60% Bは40%
Aは達成度3 Bは達成度4なら、
60%×3+40%×4=3.4がその人の点数
そんな、「よくある」例の中の一つに、
目標の①重要度・②難易度・③達成度の3つを掛け合わせて評価をする企業があります。(各5点満点で、①×②×③で得点を算出する等)
一見すると非常に丁寧で、もっとものように感じられます。
しかし、難易度を評価項目に加えた制度設計は、果たして企業に利益をもたらすでしょうか?
例えば、以下の2名が居たとしましょう。
・難易度は低いのに企業にとって重要な仕事を見つけてきたAさん
・難易度は高いが、重要度はそれほどでもない仕事に取り組んだBさん
このとき、Bさんは非常に難しい仕事のため、時間と労力をかけ、取り組むことになります。しかし、重要度は低いので結果的には多大な経営資源を投下して、効果の薄いことをしたとも言えます。
一方で、Aさんの業務はさして難易度は高くありません。しかし、会社として取り組むべき重要度は非常に高い業務なので、会社にもたらす利益も非常に多大なものになります。
こうして考えると、Bさんはむしろ望ましくないことをしているということはおわかりいただけるのではないでしょうか。
上記の、難易度を評価要素に入れる企業の狙いとしては、「難易度の高い業務に挑戦して欲しいから」というものが挙げられます。確かに、難しい仕事をしたのだから認めて欲しいという従業員の気持ちは非常によくわかります。しかし、難しい仕事がすなわち成果の出る仕事とは限りません。
評価の軸をどう設定するか?
一見すると当たり前のようにみえても、よく考えると再考の余地があることはあります。
評価軸を考えるときに、着目するといいポイントがあります。「そもそも会社はなんのために存在していて、なんのために人事制度が存在するか」ということです。
難易度の高い業務が出来るのは素晴らしいですが、成果を出すために集まっている組織なのですから、成果と同列に比べるべきではありません。成果を出すために何が必要か?という目線で考えてみると、何で評価するべきか、という軸が判るわけです。
今日のまとめ
目標管理の評価要素に難易度軸は不要
同様に、「もっともらしいが、よく考えたら意味の無い評価軸」は存在していないか確認をしてみましょう