MVV・経営目標や戦略実現のための人事インフラ作りを、丁寧なシミュレーションも踏まえて実施したい企業に、人事制度策定のための分析及び議論の支援を提供するサービスです。

人事制度設計について

人事制度は人事施策の根幹となるもので、人事戦略をより具体的に示したものであるといえます。

人事制度には等級制度・評価制度・報酬制度を含むのが一般的です。会社としてどのような方を求め、どのように測定し処遇するのかを表現します。

これにより会社と従業員のベクトルを合わせることが期待できます。研修などと比べると即効性はありませんが、広範囲かつ中長期に亘って従業員の行動変革に繋がる、レバレッジの効きやすい施策であるといえます。

人事制度で、このようなお悩みはありませんか?

  • 高評価者が高業績者とならない
  • 特定の等級に人が滞留してしまう
  • 評価の納得感が低い
  • 人件費高騰が不安、給与水準が低く採用できない
  • 運用が追いつかない、従業員の理解が不十分である

高評価者が高業績者とならない

高い業績を上げていても人事評価が高くならなず、離職に繋がってしまったり、意欲が低下してしまったりする例があります。

それは、事業環境や戦略の変化に対応できていないことによります。
人事制度は会社の方向性とリンクする必要があるため、Mission Vision Value、あるいは、経営戦略や人事ポリシー、人事戦略など、人事制度の上位概念が変わった際には、人事制度変更の必要がないか確認してみましょう。

特定の等級に人が滞留してしまう

管理職や管理職一歩手前層で人が滞留してしまい、組織内によどんだ雰囲気が流れる、その更に一歩手前の層の昇格判断に影響を与えてしまうといった例があります。

それは、等級制度の階段設計に問題があるからかもしれません。
下位等級で求める要件と上位等級で求める要件との間に乖離があるため、うまく能力開発などが進まず、昇格に繋がらないためです。

評価の納得感が低い

人事評価への納得感が低いと、人事評価が人材育成につながらず、組織の成長に貢献しません。
あるいは、人事評価のたびに意欲低下を招いてしまい、離職に繋がるかもしれません。

それは、人事評価項目そのものの納得感の低さや、目標設定と総括のプロセス、評価者のスキルなどに問題があるからかもしれません。

人件費高騰が不安、給与水準が低く採用できない

高齢化が進んでいるのに年功的に給与が上がるような仕組みを導入している、他社と比べて顕著に給与水準が低い、など、報酬の妥当性に悩む企業は少なくありません。

その結果、経営や採用などに影響を与えてしまう例があります。

運用が追いつかない、従業員の理解が不十分である

人事制度を詳細に作り込んだり、他社(親会社や業界リーダー会社など)の人事制度をそのまま輸入した結果、自社人事部の運用リソースにマッチせず破綻したり、従業員が全く理解できなくなることがあります。

人事制度設計で押さえるべきポイント

MVVと連動していること(未来志向)

人事施策は会社の未来を作るためのものです。
人事施策の根幹となる人事制度も、中長期的に企業が目指すものであるMission・Vision・Valueの実現を後押しするためのものであることが求められます。

戦略や事業目標との整合性が取れていること

人事制度を作っても、現在の戦略とかけ離れていると効果発現までに時間がかかってしまいます。
人事制度上は高い評価になるはずだが、会社として求める成果が出ていないという齟齬があると、双方に不満が生じます。

そのため、人事制度は戦略や事業目標を念頭に置いて設計することが求められます。

実現可能性があること

求める人物像や職務の要件を過度に高くしすぎると、従業員から「そんな人材は社内にいない(社長自身も達成できないだろう)」と諦められてしまったり、一般社員が突然課長に昇進するように求められ「課長に上がりたいが、ハードルが高すぎて到達できない」とキャリアを諦めてしまう可能性があります。

そのため、等級制度の最上位等級については、全員ではなくとも到達できる人材が存在するかを確認する必要があります。

また、評価制度の最高評価が実際に取得可能か、報酬制度で想定している報酬額が支給可能であり、その金額で人材確保が可能か、なども確認しておくことが重要でしょう。

サブシステムにおける相互依存関係を把握すること

人事制度はそれぞれが影響し合っています。
そのため、片方でアクセルを踏みながら片方でブレーキを踏んでしまうということがないよう留意する必要があります。

たとえば、等級制度は採用においては採用時の期待·処遇決定の根拠となります。等級毎の期待レベルを具体化すると評価基準となります。

また、上位等級で活躍するために必要な能力·意欲のうち、通常業務でキャッチアップすることが難しいものを育成施策としてまとめれば、階層別の育成体系となります。

さらに、無理なく昇格できるような等級制度を作ることで退職者数の抑制にもつながります。

浸透、運用が可能なこと

当たり前ですが、制度は作って終わりではありません。構築後の運用が成否を握ります。
そのため、人事制度は自社のリソースやリテラシーを踏まえた、運用可能なものにするといいでしょう。

人事制度設計の特徴

Studio LOGICAの人事制度設計支援サービスでは、以下をおこないます。

  1. 人事制度が企業と従業員の成長と成功に寄与するものとなるための分析をおこないます。
  2. 御社にマッチした人事制度の概要から詳細まで設計をおこないます。
  3. 助言に留まらず、報酬シミュレーションや等級移行案·承認獲得·浸透施策までおこないます。

これにより、自社経営目標の達成や従業員育成、エンゲージメント向上のための人事制度を構築することが可能です。既存業務を遂行しながら制度構築や人事企画などをおこなうリソースのない企業からも喜ばれております。

人事制度設計の進め方

人事制度設計は、以下の流れで検討します。

  1. 方向性策定

    人事制度設計にあたり必要となるMVVや経営目標、戦略の分析をおこない、人事制度の方向性の参考とします。また、現在の人員の状況やこれまで・現在の人事施策の経緯を把握することで、人事制度改定で目指すものと現状とのギャップ確認に加え、潜在的な人事課題の把握をおこないます。

    経営方針分析

    • MVV・経営戦略や中長期計画の分析
    • 経営資源及び外部環境分析
    • ビジネスモデル分析
    • 財務状況分析
    • 生産性分析
    • 組織体制分析
    • 経営層インタビュー
    • キーパーソンインタビュー

    人事アセスメント

    • 人事制度の現状分析(等級・評価・報酬・育成・退職金)
    • 従業員動態分析
    • 給与水準の他社(同地域)比較による分析
    • 人事制度運用状況分析
    • 従業員エンゲージメント調査
    • キャリアアンカー調査
    • キーパーソンインタビュー
    • 従業員グループインタビュー

    人事アセスメント

    • 業界特有の人事特徴の分析
    • 同業他社(経営戦略・人事制度等)分析

    概要設計

    承認獲得支援

  2. 等級制度設計

    求める人物像や職務に求める要件を重要度・負荷・難易度等や職務の種類ごとに区分し、報酬差設計の根拠・育成やキャリアの方向性を作成します。

    能力や行動に基づく等級の場合

    • コンピテンシー分析
    • 等級の構築方針決定
    • 等級数の検討と提案
    • 等級定義の決定
    • 職務手当加算の検討

    職務や役割に基づく等級の場合

    • 職務評価
    • 等級の構築方針決定
    • 等級数の検討と提案
    • 等級定義の決定

    昇降格(等級間を上下動させるしくみ)

    • 卒業基準の検討
    • 入学基準の検討
    • 昇降格判断トリガー及び審査ステップの設計

    異動(等級·職種間を横異動させる仕組み)

    • 職群移行時のトリガー
    • 意思決定フローの作成
  3. 評価制度設計

    求める人材像や職務要件に基づき、出すべき成果や行動·能力等の基準を作成します。これらに基づき、定点観測を行い、必要に応じて報酬·配置への反映や支援のルールを設計します。

    評価と他制度(昇降格·配置·昇降給·賞与·育成など)との関連設計

    能力や行動に基づく等級の場合

    • 評価段階の設計
    • コンピテンシーディクショナリ設計
    • コンピテンシーモデル設計

    職務や役割に基づく等級の場合

    • 評価段階の設計
    • 評価基準設計

    成果評価体系設計

    • 成果評価手法の構築
    • 目標設定方法設計
    • 目標設定例(KPI等)の提示
  4. 報酬制度設計

    月例給や賞与の支給基準及び支給額、昇降給や変動ルールについて設計します。これにより納得感のある処遇や採用力の向上に近づけることが期待できます。

    報酬額・水準設計

    • 現賃金水準との対応検証と調整
    • 他社や目標値との比較と調整
    • 等級毎給与レンジ設計
    • 月例給と賞与のバランス設計
    • 昇給水準設計

    賞与決定方針設計

    • 水準及び原資設定ルール設計
    • 個人業績反映度ルール設計
  5. 承認獲得・移行・浸透

    これまで検討してきた人事制度についての承認獲得を支援します。また、スムーズな移行と新制度開始のために、等級·報酬の改定案の作成、浸透·評価者育成施策などの提案をおこないます。

    承認獲得支援

    • 承認獲得用資料作成
    • 各種会議体での指摘事項対応

    移行支援

    • 現制度からの移行ルールの設計
    • 賃金カーブでの検証
    • 今後数年間の移行SIMによる検証
    • 人件費総額の検証

    浸透施策支援

    • 浸透資料作成
    • 評価者への制度浸透・育成施策企画
    • その他浸透施策支援
    • Q&A対応
  6. その他制度設計

    全ての人事課題を人事制度改定だけで担うことはできません。そのため、必要に応じて補完できるような制度提案をおこないます。

    育成制度設計

    • 等級・評価体系に合わせた育成体系構築
    • 研修体系構築 個別研修プラン作成
    • ローテーションルールの設計
    • 権限委譲ルールの設計

    退職に掛かる制度設計

    • サクセッションプラン設計(現役職者の年齢と役職定年ルールとの対応分析)
    • 後継者選定及び育成プランの検討新等級体系における退職金制度構築
    • 現退職金制度への影響分析

    採用制度設計

    • 要員計画の作成
    • 採用戦略構築
    • 採用基準作成

    福利厚生やその他制度構築

    • 出戻り社員の再雇用制度構築
    • コミュニケーション活性化、仕掛学を活用した制度構築
    • その他独自の制度構築

    運用支援や制度改善

    • 各種運用に掛かるご相談 マイナーアップデートの支援
    • 経営層・管理職・従業員等へのインタビュー調査
    • 人事制度・エンゲージメント等の各種アンケート調査

人事制度設計のナレッジ

人事制度設計のナレッジ記事一覧へ

人事制度設計の実績

葬儀業を中心とした生活支援サービス業

期間2023年4月〜2023年12月

葬儀業における評価制度設計

100-300名程度における葬儀業態での評価基準の改定を実施
・各種関係者からのインタビューによる仮説の構築
・VMV・企業理念・クレドとの連動の確認
・ワークショップによる評価項目のブラッシュアップ
・報酬との連動

  • 人事制度設計
学習支援業

期間2023年2月〜2023年6月

上場を目指す学習支援業における職務定義

各部責任者へのインタビュー(のべ40件程度)調査のうえ、求める成果・行動・能力・意欲及び、ポストアサインのための参考情報として必要となる資格・経験を整理

  • 人事制度設計
Meditech スタートアップ

期間2020年11月〜2021年3月

スタートアップでの1つ目人事制度設計

リファラル採用が主であり報酬体系がバラバラの企業に対し、今後の事業規模拡大のため採用の軸とすべく人事制度を構築。
人事制度グランドデザイン作成・等級制度構築・評価制度構築・報酬制度構築・育成体系構築・運用支援に関し、提案からプロジェクトマネジメントまで実施。

  • 人事制度設計
大手製薬企業

期間2019年4月〜2022年9月

大手製薬業での人事制度設計

人事制度グランドデザイン作成・等級制度構築・評価制度構築・報酬制度構築・育成体系構築・運用支援に関し、提案からプロジェクトマネジメントまで実施。

  • 人事戦略設計支援
  • 人事施策アセスメント
  • 人事制度設計
エネルギー系設備管理企業

期間2022年4月〜2022年9月

地方での人材確保を目指した人事制度設計

人事制度グランドデザイン作成・等級制度構築・評価制度構築・報酬制度構築・育成体系構築・運用支援に関し、提案からプロジェクトマネジメントまで実施。

  • 人事戦略設計支援
  • 人事施策アセスメント
  • 人事制度設計
映像制作会社

期間2018年4月〜2022年9月

契約社員の正社員登用も含めた人事制度設計

人事制度グランドデザイン作成・等級制度構築・評価制度構築・報酬制度構築・育成体系構築・運用支援に関し、提案からプロジェクトマネジメントまで実施。

  • 人事制度設計
  • その他
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